ラベル 12 うまくいく恋愛ができるようになるために 恋愛講義・第1回 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2018年12月18日火曜日

マユミと会話1(2)

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 賢策とマユミは、肩をならべてプロムナードを歩きはじめた。
 陽(ひ)はすでに暮れはじめている。


 駒橋真由美(こまはし まゆみ)とは、中学のときに知り合った。
 2年のときにおなじクラスになり、マユミのほうから恋をし、そしてふたりは付き合うようになった。

 高校へは別々の学校に進学した。マユミは現在、県内の女子校にかよっている。
 学校は別々になったが、帰りはいつもガゼボで待ち合わせをして、一緒にプロムナードを歩くのが日課になっていた。

2018年12月17日月曜日

マユミと会話1(1)

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マユミと会話1 (プロムナード)



 プロムナード(遊歩道)の起点にあたる場所に、ガゼボが設置されている。
 柱と屋根だけでつくられた休憩所――壁のない開放的な建物のなかで、黒髪の女子高生がベンチに腰をおろしている。
 スクールコートの下に着ているのはセーラー服で、賢策たちがかよう永習館高校の制服とは異なっている。

2018年12月14日金曜日

相手が自分にふさわしいのかどうか、どうすればわかるのか? 〈美冬の質問〉

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相手が自分にふさわしいのかどうか、どうすればわかるのか? 〈美冬の質問〉



「それじゃ、今回の講義はこれで終わりにしよう。
 何か質問はあるかい?」

「えっと、あの……ひとつだけいいですか?」

「なんだい?」

「さっきやった『ラブラブな恋愛』のイメージは、とても楽しかったです。幸せな気持ちが胸にわきあがってきました。
 でも、わたしにはいま好きな人とかいないから、相手の男性のイメージがはっきりと思い浮かびませんでした。先生は『それでいい』って言ってくれましたけど、やっぱりちょっと不安です。
 わたし、男性と会ったときに、相手がわたしにふさわしいのかどうか、ちゃんとわかるのでしょうか?」

「いい質問だね!
 さっき僕は、『相手の姿は輪郭(りんかく)のはっきりしない影のような姿でかまわない。むしろそのほうが好ましい』って言ったよね。
 この質問に対する答えは、そのことにも関係しているんだ。いいことを訊(き)いてくれたよ」

「そ、そうですか……わたし、あまり褒(ほ)められたことがないので、そんな言い方をされると、ちょっと恥ずかしいです」

2018年12月11日火曜日

『幸せな恋愛』のイメージ法 〈講義〉

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『幸せな恋愛』のイメージ法 〈講義〉



「理解も深まったようだし、それじゃ、さっそくやってみようか」

「えっ!? やってみようかって言われても……」

「簡単だよ、『ラブラブな恋愛をしている自分』をイメージすればいいんだ」

「ラブラブな恋愛って……急にそんなことを言われても、イメージできないです」

「しかたないなぁ……それじゃ、僕が誘導してあげるから、僕の言うとおりにイメージして」

「はい」

2018年12月7日金曜日

理想の恋愛のヴィジョンをもつ 〈講義〉(2)

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賢策は、
幸坂美冬に問いかける。

「幸坂、きみに『幸せな恋愛をしている未来像』はあるかい?」

「え?」

「こういう恋愛がしたい、というはっきりとしたイメージはあるのかと質問しているんだよ」

「ええっと……ないかもです……すみません」

2018年12月4日火曜日

理想の恋愛のヴィジョンをもつ 〈講義〉(1)

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理想の恋愛のヴィジョンをもつ 〈講義〉



「それじゃ次は『王道』のための前段階の話をするよ。
 よく聞いて理解するように」

2018年12月1日土曜日

恋愛にはプロセスがある 〈講義〉

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恋愛にはプロセスがある 〈講義〉



「いいかい、両想いになるには相応のプロセスがあるんだよ。
 まずは、そのプロセスをしっかりと理解しよう。重要なことだからね」

「……はい」

2018年11月30日金曜日

はじめに

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恋愛講義・第1回




はじめに





賢策と幸坂美冬は、空き教室へ移動した。
誰もいない教室。
使われていないので少し埃(ほこり)っぽい。
座席は整然とならべられている。

賢策は携帯を手にとり、
しばしメールのやりとりをしたあと、
教壇に立った。

「とりあえず、どこでもいいから席につきなよ、幸坂」

「…………」

「どうしたんだい、そんな驚いた顔して?」

「あ、いえ……急に呼び捨てにされたからびっくりして……いちおう、わたしのほうが上級生だし」

「いちいち驚くようなことじゃないと思うな。僕らは師弟になったんだから、師匠が弟子を呼び捨てにするのはとうぜんのことなんだからね」

「そ、そうですね……すみません」