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俺たちは変わったと思う。
それは俺も認める。
でもそれは、あくまでも内面的な変化であって、俺たちの生活はいままでと何も変わらない……はずだったんだ。
目に見えた変化があらわれたのは、賢策だった。
携帯で楽しそうに話している姿を、たびたび見かけるようになったんだ。
しかも、相手はマユミちゃんらしい。
彼女に対して『戦略的不機嫌』なんて言いながら冷たい態度をとりつづけてきた賢策が、機嫌のいい笑顔を浮かべて楽しそうに話している。
ときどき「だいじょうぶだよ」とか「いいよ」とか「今度一緒に行こうな」とか、すごくやさしい声で言っているのが聞こえたりした。
わが目をうたがう光景だった。
マユミちゃんにかまっている時間が多くなるにつれて、賢策のまわりに群がる女子の数が少なくなっていった。
賢策はますますマユミちゃんとのコミュニケーションを大切にするようになり、どこからどう見ても彼女想いの『いい彼氏』そのものだった。
信じられん……。
『女の敵』須藤賢策が、女の子にやさしくなるなんて……。おそるべし、上機嫌。
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