2019年2月5日火曜日

恋人がいないことはみじめなんかじゃない


 恋人がいない――
 そのことを、みじめに思ったり、恥ずかしく思ったりする必要はありません。

 恋人がいないのは、みじめなことでも、恥ずかしいことでもないからです。


恋人がいないからこそ、可能性に満ちあふれている


「恋人がいないのは自分だけ」は幻想?


 2005年、国立社会保障・人口問題研究所が18~34歳の独身者について調査した結果によると――

「恋人として交際している異性がいる」のは、

  • 未婚女性 ……… 36.7%
  • 未婚男性 ……… 27.2%

 だったそうです。

 つまり、恋人がいない女性は60%以上で、男性の場合は約75%になります。


 また、電通総研が2010年におこなった調査によると、

  • 独身女子10人のうち7人が「彼氏はいない」状況
  • 独身女子の半数が「3年以上いない」状況

 という結果がでています。


 恋人がいないと、まわりはカップルばかりで恋人がいないのは自分だけのように思えてみじめな気持ちになったりするかもしれませんが、それは正しくありません。
 実際は、恋人がいない人のほうが圧倒的に多いのです。

「恋人がいないのは私だけ」という思いは、正しくありません。
 心理学では、恋人がいる人の割合を実際よりも高く見積もることを「恋愛普及幻想(れんあい・ふきゅう・げんそう)」と言っています。
 その思いは「幻想」にすぎないんですね。


 だから、みじめに思ったり恥ずかしく思ったりする必要は、どこにもありません。
 その価値観だと、独身の人のおよそ70%が「みじめな人」になってしまいます。
 それはおかしいですよね。

 実際には「恋人がいない」という人のほうが多いのですから、むしろ恋人がいないほうが普通だと言えます。


フリーのあなたの真実


 先ほど提示したデータは少し古いものではありますが、この種の調査をおこなうと、年代に関係なく、毎回ほとんどおなじ結果がでます。

 それは、
「独身者のおよそ7割は、交際している相手がいない」
 ということです。

「恋人がいないのは自分だけ」と感じているのであれば、それは幻想だということを理解しましょう。
 実際は、独身者の多くは恋人がいないフリーの状態です。
 そして、あなたもフリーであるのなら――
「恋のチャンス」は、それだけたくさんあるということです。

 フリーであるあなたには、「恋の可能性」が満ちあふれている

 それが、真実なんですね。


異性から好かれるように、もっと自分を好きになろう


 恋人がいないことをみじめに思ったり、恥ずかしく思ったりするのは、もうおしまいにしましょう。
 その自己否定感は、ますます異性の好意を遠ざけてしまいます。

 自分に対して否定感(嫌悪)をいだいている人物が、異性から好かれるのは困難です。
 その自己評価とおなじように、周囲の人たちもその人物を評価するからです。
 そもそも、自分自身は否定感(嫌悪)を感じていながら、異性からは肯定感(好意)を求めるなんて、身勝手な考え方ですよね。


 恋を成就させたいのであれば、何よりもまず、
「自分を好きになること(自己肯定感をいだくこと)」
 それを優先させましょう。

 もしも、
「異性に好かれることができたら、そのときには、自分を好きになれる(自分を肯定できるようになる)」
 そう思っているのであれば、それは順番が逆です。

 事実はこうです。
「自分を好きな人(自分を肯定している人)が、異性からも好かれる」


「いま、彼氏はいません」と言える女性に、恋のチャンスはやってくる


 また、これは女性のほうに多いのですが、恋人がいないことを恥ずかしく思い、見栄(みえ)をはって、
「私には恋人がいる」
 とウソをつくことがあります。
 これは絶対にやってはいけません。

 アラサー以上の女性の場合は、未婚であることに負け組意識を感じて、「結婚している」とウソをつくケースもあります。

 ですが、このようなウソをつくと「恋のチャンス」がなくなります。

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 その質問とは、「○○さんは、今彼氏いるの?」という質問です。
 ――<中略>――
 男がアプローチしてくるときには、ほぼ100パーセントこの質問をしてきます。

出典:『一瞬で好かれる心理術 モテのツボ55!』  内藤誼人:著  大和書房、だいわ文庫(2010年)
(第四章 彼の本気度を判定する質問 より引用)
ネット上で読みやすいように体裁(文章の見た目)を整えてあります。
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 男性が、「彼氏いるの?」と質問する理由――
 それはもちろん、
「もし恋人(彼氏)がいたら、恋愛対象外」
 だからです。

 男性脳というのは合理主義なため、「能力や結果を重視する」という傾向があります。
 男性は、成功や勝利を潜在的に強く求めているので、成功する見込みがないと判断したら、行動しなくなります。
 そのため、「彼氏がいる」と聞いた瞬間に、恋愛対象から除外してしまいます。


 本当はフリーなのに「恋人がいる」などとウソをついたら、恋のチャンスを自分で消滅させることになります。

 また、ウソというものは、不思議なことに、どこかから必ずと言っていいほどバレるようにできています。
 見栄をはったために、恋のチャンスを台無しにしてしまい、さらには人としての信用までうしなったというのでは、あまりにもおろかすぎます。


 恋人がいないのであれば、
「私いま、彼氏いないんです」
 正直に、はっきりと言いましょう。

 それは、異性に対して、
「あなたとも恋愛関係になる可能性がある」
 というアピールになるため、恋のチャンスが広がります。

 世の中、最後には正直な人が勝つようになってるんです(笑
 もちろん、恋愛においてもね。


いま恋人がいないからこそ、恋の可能性に満ちている


 独身者のおよそ70%は、恋人がいないフリーの状態です。

 フリーであるあなたには、「恋の可能性」が満ちあふれています。

自己愛(自己肯定感)をいだくこと
正直に「いま恋人がいない」と言うこと

 これらのことをしっかりと理解して、心がけてみましょう。

 きっと、いいことがありますよ。


このエッセイは、本条克明が以前に運営していた『本条克明ライターズブログ』というサイトに掲載した記事を改訂したものです。

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参考文献
●『一瞬で好かれる心理術 モテのツボ55!』 内藤誼人:著  大和書房、だいわ文庫(2010年)
●『史上最強図解 よくわかる心理学』 金政祐司、相馬敏彦、谷口淳一:著  ナツメ社(2010年)
電通総研が独身者の意識・実態調査を実施(PDF)