2018年11月13日火曜日

男性は、女性がこうしてくれると嬉しい


今回は恋愛に関するエッセイです。

***

 僕が以前に運営していたサイトでは、
「どうされたら男性は嬉(うれ)しい?」
「男性が女性にされて嬉しいこと」
 そういったキーワード検索で訪れた人が多かったようです。

 やさしい女性が多いですね。
 なんだか嬉しくなります(喜

 そんな心やさしい女性のみなさんのために、
「男性は、女性がこうしてくれると嬉しい」
 ということについて、男性の立場から改めて考えてみました。


男性が、女性を愛する喜びに目覚めるとき


ある若者の恋愛観


 ここに、「ホンジョーくん」という若者がいます。

 ホンジョーくんは、
「男は、女にナメられたらおしまいだ」
 という恋愛観をもっています。

「男というのは、女をリードし、エスコートするもの――
 だから、男はつねに、女よりも優位に立っていなければいけない」

「男は優位に立つことで、女をしっかりとリードすることができる。
 だから、良好な関係を保つために、決して女にナメられてはいけないんだ」

 ホンジョーくんは、かたくなにそう信じています。

 そのため、ホンジョーくんは女性に対して、高圧的で、いつも命令口調で、冷たく突き放すような態度をとっています。
 女性にやさしくすることは、ほとんどありません。
 隙(すき)を見せることで、ナメられたくないからです。


 そんなホンジョーくんに、ある女性が恋をしました。
 彼女はホンジョーくんのことが大好きで、とても健気(けなげ)にホンジョーくんを慕(した)っています。

 ホンジョーくんは、彼女と付き合うことにしました。
 彼女に恋をしていたから、ではありません。

「彼女のほうから惚(ほ)れてきたのだから、俺は優位な立場で付き合うことができる」
 という打算的な考えによるものでした。


 付き合いはじめた当初――
 ホンジョーくんは彼女に対して、高圧的で、冷たく突き放すような態度をとっていました。
 ときには傷つけるようなこともしました。
 彼女よりも「優位な立場」を保っていたかったからです。

 ところが、そんなホンジョーくんに変化があらわれます。

彼女の荷物をもってあげる
彼女に自販機でジュースを買ってあげる
彼女の服装を褒(ほ)めてあげる

 そんな些細(ささい)なことで、彼女はすごく嬉しそうに笑って、
「ありがとう」
 と言ってくれます。

 ホンジョーくんはしだいに、彼女の喜んだ姿を見るのが嬉しく思えるようになります。
 高圧的で冷たい態度は、なりをひそめます。
 その代わりに、
「彼女が喜んでくれたら嬉しい」
 という純粋なやさしさが心に芽生えてきます。

 やがて、ホンジョーくんは気づきます。

「俺が求めていたのは、優位に立つことなんかじゃない。
 俺が、本当に求めていたもの――
 それは、『思う存分やさしくしてあげられる女性』だったんだ


男性が求めているのは、ただ自分を愛してくれる女性ではなく……


 男性は、「女性が喜んでくれること」が何よりも嬉しいです。

 より正確に言うと、
「自分がしたことで、女性が喜んでくれる」
 ということに、男性はこのうえない喜びを感じます

 男性は、「自分の力」で何かを成しとげることに喜びを感じます。
 ですので、彼女が「自分以外の力」によって幸せそうにしていても、あまり満たされません。
 男性は、「自分の力」で女性を喜ばせることができたときに、深い喜びを感じます。


 恋愛心理研究の第一人者であるジョン・グレイ博士は、このように言っていますね。

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 恋愛関係における男性の最大の望みは「パートナーを幸せにすること」です。
  ―<中略>―
 男性は「自分を愛してくれる誰か」ではなく「自分が愛することに成功できる誰か」を探すものなのです。

出典:『「二人の心」を離さない結婚のルール』 ジョン・グレイ:著 柴門ふみ:訳  三笠書房(2009年)
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どうされたら男性は嬉しい?
男性が女性にされて嬉しいこと

 それに対する『答え』としては矛盾(むじゅん)しているように思えるかもしれませんが、

「男性は、自分の好意や思いやりによって、女性が喜んでくれるのがいちばん嬉しい」
 それが、真実なんですね。

 女性が思っているよりもずっと、
「女性の嬉しそうな姿」
 というものは、男性を喜ばせる『力』をもっています。


 なぜそう言い切れるのかって?

 それは、さきほどの「ホンジョーくん」のたとえ話がノンフィクションだからです(笑
 あのお話、じつを言うと、僕の若い頃の体験談です。
 未熟だったよなぁ……。


男性が、男としての喜びに目覚めるとき


 男性は、潜在的に「騎士道精神」を心に秘めています。

女性にやさしくしてあげたい
女性を守ってあげたい
女性を大切にしたい
女性にとって、頼れるヒーローでありたい

 そういった想いを、生まれながらにしてもっています。

 男性は生まれながらのナイト(騎士)ですので、女性に対して、
「愛すべきお姫様であってほしい」
 という潜在的な願望をいだいています。

 女性が嬉しそうに笑ってくれたとき――
 女性が笑顔で「ありがとう」と言ってくれたとき――

 男性は、「騎士道精神」に目覚めます。
 男性としての「純粋な喜び」に目覚めます。

 女性の嬉しそうな笑顔に、
「愛すべきお姫様」
 を見るからです。



このエッセイは、本条克明が以前に運営していた『本条克明ライターズブログ』というサイトに掲載した記事を改訂したものです。

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