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マユミと会話3 (プロムナード)
賢策とマユミは、肩をならべてプロムナードを歩いている。
「そっか、今日はとうとう本題について話したんだ――」
マユミは言う。
「それじゃ、講義はもう終わり?」
賢策は、頭(かぶり)をふって答える。
「いや、あともう1回だけやるよ。その後の幸坂先輩の様子を確認しておきたいからね。
それに、できるだけのことはしてあげたいから、変なところでつまずいたりしないように、もう少しだけアドバイスしておこうと思うんだ」
マユミは嬉しそうな笑みを浮かべて、賢策の顔を見つめている。
そして、マユミは笑みをたたえたまま、言った。
「私、賢策くんに絶対むいてると思うよ。恋愛相談」
「…………」
賢策は、歩きながら思案した。
やがて、マユミに微笑みを返しながら、
「そうかもしれないな」
と応(こた)えた。
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