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恋愛講義・第2回
幸坂美冬の変化
1週間後――
2回目の恋愛講義をおこなうため、
賢策と幸坂美冬は
前回とおなじ空き教室へやってきた。
前回と同様、賢策が教壇に立ち、
幸坂美冬は席につく。
幸坂美冬は、前のほうの席を選んで座っていた。
この座席の位置どりは、
賢策に対する信頼が増して、
気持ちが前向きになっていることをあらわしている。
そして今日の幸坂美冬は、
前回よりも表情が明るい。
2回目の恋愛講義をおこなうため、
賢策と幸坂美冬は
前回とおなじ空き教室へやってきた。
前回と同様、賢策が教壇に立ち、
幸坂美冬は席につく。
幸坂美冬は、前のほうの席を選んで座っていた。
この座席の位置どりは、
賢策に対する信頼が増して、
気持ちが前向きになっていることをあらわしている。
そして今日の幸坂美冬は、
前回よりも表情が明るい。
「今日の幸坂は、なんだか機嫌がよさそうだね」
「はい。先生に教えてもらった『両想いになるプロセス』を思い返したり、『幸せな恋愛のイメージ』を思い浮かべたりしているうちに、気分が高揚(こうよう)してきて、なぜだかすごく嬉しいような楽しいような、そんな幸せな気持ちになってきたんです。
……変ですよね、わたし」
「ちっとも変じゃないよ。幸坂がハッピーな気持ちになったのには、ちゃんとした理由があるんだしね」
「そうなんですか?」
「幸坂がハッピーになった理由――それは意識の焦点が切り替わったからだよ。
幸坂はこれまでに『うまくいかない恋愛』をくり返してきた。そのせいで恋愛や異性に対する苦手意識が募(つの)り、否定的な考えに意識がシンクロしていた。
でも『両想いになるプロセス』を思い返したり、『幸せな恋愛のイメージ』をくり返すことで、幸坂の意識は両想い――『成就(じょうじゅ)する恋愛』のほうに焦点が合わさるようになったんだ。
意識が肯定的な考えとシンクロしたことによって、幸坂の心に肯定感がわきあがってきた――それが、いまの幸坂に起こっていることだよ」
「そうだったんだ……たしかに、いままでのわたしは否定的な考えにとらわれていて、いつも暗い気持ちになっていました。でもいまは、すごくポジティブになっているのが自分でもわかるんです。
わたしにもすてきな彼氏ができる日はかならずくるって、そんなふうに考えられるようになってるんです」
「いいね。本物の幸せを手にいれるためには『いま幸せ』が大前提だからね」
「いま幸せ?」
「今日はね、そのことも含(ふく)めた話をするよ。
とても大事なことだから、よく聞いて理解するようにね」
「はい」
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