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恋をすると自信がなくなる？ 〈講義〉
「幸せな恋愛――それを実現するためにはね、自己肯定感が不可欠なんだよ」
「自己肯定感……」
「そう。つまり『自己愛』とか『自信』のことだね」
「自信、ですか……わたしにもっとも足りないものです」
「そう思っているのなら、なおのこと自己肯定感について理解し、それを養わないとね。
心理学でも、自信のなさは恋愛のさまたげになると言っているしね」
「そうなんですか？」
「たとえば、心理学用語で『再確認傾向』という言葉があるんだけど、これはね、自信のない人というのは相手のちょっとした言葉や表情をネガティブにとらえて『私、嫌われてるのかもしれない』と不安になる心理のことなんだ。
こういう自信のない人というのは、恋人や、親密な関係を築きかけている相手に対して、
『私のこと嫌ってないよね？』
『私のこと、好きだよね？』
と、何度も確認をしてしまう。
相手の異性にしてみれば、最初のうちはやさしく答えてあげることができても、何度もしつこく確認されたらいい気持ちはしないよね。自分の好意や愛情がうたがわれているんだから。
そんなふうに自信のない人というのは、相手との関係をみずから悪化させてしまうことがよくあるんだよ」
「それ、わかるような気がします。もし、わたしにいま彼氏ができたとしたら、やっぱり何度も確認したくなるでしょうから……」
「恋愛において、自信のなさは大敵(たいてき)なんだよ。
そして、こまったことに、人というのは恋をすると自信をうしないやすいんだ」
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