2018年12月25日火曜日

「ごめんね」のイメージ法 〈講義〉(2)

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「いま、きみは、大好きな彼と一緒にいる――イメージして」

「…………」

「いま、きみと、彼は、目を見つめ合っている……
 とても、とても、愛(いと)しそうな目で、お互いに、目を見つめ合っている……」

「…………」

「ところが、きみは、大好きな彼と喧嘩(けんか)をしてしまった……
 きみは、何もわるくない……わるいのは、彼のほうだ……」

「……………………」

「きみは、ひどい仕打ちを受けた……
 きみは、彼に対してとても憤(いきどお)っている……
 ゆるせない! と思うほどに、きみは憤っている……」

美冬は目をとじたまま眉をひそめた。
とても不快な表情だ。

「その彼がいま、きみの前に立っている……
 とても、きまりわるそうな様子だ……きみに対して、申し訳ないと思う気持ちでいっぱいのようだ……」

「…………」

「彼は、緊張した面持(おもも)ちで、きみに言う。『ごめんね』と……」

「…………」

「彼は、きみに、『ゆるしてくれる?』と尋ねる……
 きみは、どうする?」

「……もう二度としないって約束してくれるのなら、ゆるします」

「……きみのその言葉を聞いて、彼は、ほっとした笑みを浮かべている……
 きみにゆるしてもらえたこと、きみと仲直りできたことが、とても嬉しいようだ……」

「…………」

「ここまで、イメージできたかい?」

「……はい」

「いま、どんな気分?」

「よかったです、今回もまた仲直りできて……すごく嬉しいです」

美冬の口もとがほころび、
笑みがこぼれた。

賢策の顔にも、
満足げな笑みがこぼれる。

「オーケー。それじゃ、ゆっくりと目をあけて」

「はい」

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