2018年12月26日水曜日

「ごめんね」のイメージ法 〈講義〉(3)

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「どうだった、今回のイメージは?」

「……彼と喧嘩(けんか)をしてしまうイメージのときは、すごく不安で、胸が苦しくなりました。
 でも、最後にはちゃんと仲直りできて、すごく嬉しかったです」

「そうだね。そしてそれが、願望実現のイメージと『自信獲得法』のちがいなんだ」

「どういうことですか?」

「願望実現のイメージの場合は、成功したイメージ、すなわち自分にとって都合(つごう)のいいイメージだけを思い浮かべるよね。
 でも自信獲得法は、それだけでは終わらない。困難や問題に直面し、それを克服する――そのイメージも同時におこなうんだ」

「なるほど……」

「都合よくうまくいくことばかりイメージしても、本当の『自信』は身につかない。
 どんなことであれ、失敗したりうまくいかない可能性というのは常(つね)にある。だから、失敗や困難をさけるようなイメージばかりしていると、かえって失敗や困難に対する不安が心のなかで増大(ぞうだい)してしまう。
 これじゃ本当の自信とは言えないよね。

 たとえ失敗や困難があってもだいじょうぶ、私にはそれを克服できるだけの力がある――
 心の奥深いところからそう思えるようになってはじめて、本当の自信は身につくんだよ。

 そして、恋愛や人間関係にこのことを当てはめると、『ごめんね』のイメージになるんだ。
 きみのほうにも落ち度がある場合には、きみのほうから素直に『ごめんね』と言う――
 彼のほうに落ち度があっても、彼が心をこめて『ごめんね』と言ってきたら、寛大(かんだい)な心でゆるしてあげる――
 私にはそれができる、と確信できるようになったとき、恋愛における『自信』が身につくんだ」

「……たしかに、先生の言うとおりだと思います。うまくいっているイメージだけだと、弱々しい自信しか身につかないような気がします。ちょっとした諍(いさか)いや、すれちがいがあっただけで簡単にくずれてしまうような、そんな脆(もろ)い自信になってしまうと思います」

「そうだね。
 芯(しん)のある強固な『自信』が獲得できるように、さっきやった『ごめんねのイメージ』をくり返しおこなうようにしてごらん。
 たとえ喧嘩をしても、最後には仲直りできる――その想いが深まっていくことで、自分や恋愛に対する肯定感が、ますます高まっていくから」

「はい。自信がつくまで、家で何度もやるようにします」

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