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マユミと会話2 (プロムナード)
賢策とマユミは、肩をならべてプロムナードを歩いている。
歩きながら、賢策は今日の恋愛講義のことを話した。
マユミは、笑みをたたえて賢策の話に聞きいっている。
「……そっか、今日は『自信』について話したんだ。
でも、なんでこの話を先(さき)にしなかったの? 前回に自信獲得イメージ法の前半部分をやってるけど、それをやる前にこの話をしておいたほうがよかったんじゃない?」
「いや、それはちがうな。
テクニックや技法というのは、先に原理や理論を説明してしまうと、それでもうわかったような気になってしまい、実践(じっせん)しなくなるものなんだ。
だから、理屈や原理を説明する前に実践してもらい、効果を体験してもらったんだよ」
「なるほど……ちゃんとそこまで考えてたんだ。さすが賢策くんだね」
「まあね。僕は、なんの考えもなしにやったりはしないよ」
「私、やっぱり賢策くんにむいてると思うな。恋愛相談」
「…………」
賢策は、歩きながら思案した。
やがて、小首(こくび)をかしげ、
「……そうかな?」
と応(こた)えた。
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