2019年1月1日火曜日

イメージは現実?

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恋愛講義・第3回




イメージは現実?





3回目の恋愛講義をおこなうため、
賢策と幸坂美冬は空き教室へやってきた。

いままでと同様、
賢策が教壇に立ち、
幸坂美冬は席につく。

美冬の表情は
以前にも増して明るい。
今日の美冬は、
いちばん前の席に座っている。

「今日の幸坂は、いちだんと機嫌がよさそうだね」

「はい。あれから先生に教わった『幸せな恋愛』のイメージと『ごめんね』のイメージを毎日やりました。
 そしたら、なんだかすごく幸せな気持ちになってきて……それこそ、もう幸せな恋愛が実現したかのようなすごく満たされた気持ちになってきて……わたし、変ですよね」

「変だなんてとんでもない。その肯定感こそ、イメージがうまくできている証(あかし)なんだ。潜在意識には『イメージと現実の区別がつかない』という性質があるからね。
 潜在意識にとって、イメージは現実とおなじなんだよ」

「……わたしがイメージしたことって、現実なんですか?」

「潜在意識にとってはね」

「……なんだか、恥ずかしいです。
 でも、きっとそのおかげなんですね。わたし、なんだかすごく自信がついてきて、『もうだいじょうぶ、今度はかならずうまくいく恋愛ができる』って、そんな気持ちになっているんです」

「いいことだね。その肯定感は意識の焦点(しょうてん)が切り替わった証だよ。
 もう準備はできたみたいだね。それじゃ、今日は『王道』について説明するよ」

「いよいよなんですね……なんだか、緊張してきます」

「そんなに構(かま)えることはないよ。
 もしかすると、シンプルすぎて拍子(ひょうし)ぬけするかもしれないしね」

「…………?」

「それじゃ、はじめるよ。しっかりと聞いて、理解するようにね」

「はい」

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