2019年1月14日月曜日

恋愛は、たくさん会うほうが有利なのか? 〈講義〉(1)

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恋愛は、たくさん会うほうが有利なのか? 〈講義〉



「たくさん会うほうが相手に好かれやすいのか?
 会う機会が少ないと恋愛が不利になってしまうのか?
 ということについて説明するよ」

「それ、知りたいです!」


「心理学的な結論から言うと、
『たくさん会うほうが相手に好かれやすい』
 ということなんだ」

「やっぱり……」

「たくさん会う人のことを好きになりやすい、という心理は、『熟知性(じゅくちせい)の原則』という理論によって証明されている。
 社会心理学者のザイアンスがおこなった実験によって、『人であれ物であれ、見たり聞いたりする回数が増えるにつれて、関心や好意も増加する』ということがあきらかにされたんだ。
 恋愛に関しても、この熟知性の原則をもとに『たくさん会うほど恋愛は有利』と説かれているんだよ」

「やっぱり、好きな人がいたら、できるだけたくさん会うようにしたほうがいいってことなんですね」

「そうだね。
 ただし、熟知性の原則をはたらかせるには、ひとつだけ条件があるんだ」

「条件?」

「相手にマイナスの印象を与えていないこと――それが大前提なんだ。
 もし、すでに相手にわるい印象をいだかれている場合は、会えば会うほど好感度がさがっていく――つまり、熟知性の原則が逆向きにはたらいてしまうんだよ」

「なるほど……ということは、
 相手に嫌われてしまったときは、ほとぼりが冷めるまで、できるかぎり会わないようにしたほうがいい――
 でも、そうでない場合は、会えば会うほど好感度があがるので、なるべくたくさん会ったほうがいい――
 ということですね」

「そうだね、そのとおりだよ」


「……いまのお話で、『たくさん会ったほうがいい』ということはよくわかりました。
 ですが、好きな人と会える機会があまりない場合はどうしたらいいんですか?
 たくさん会うことができない時点で不利な恋愛をしている、と、あきらめたほうがいいってことですか?」

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熟知性の原則は、「熟知性の法則」や「単純接触効果(たんじゅん・せっしょく・こうか)」という言い方をすることもあります。