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知り合ったばかりの段階で、どう相手と接すればいいのか? 〈美冬の質問〉
「それじゃ、今回はこのぐらいで終わりにしよう。
質問はあるかい?」
「それじゃ、ひとついいですか?」
「なんだい?」
「今日は、先生から『すでに恋人であるかのように接する』ということについて、お話やアドバイスをいただきました。
『ありがとうのイメージ』で具体的な方法も見えてきました。
ですが、相手の男性が荷物をもってくれたり、ジュースを買ってくれたり、そういったことは、あるていど仲のいい関係――すでに友だちぐらいの関係になっていないと、してくれないことだと思います。
第1回目の講義で先生が言った3段階目、『表面的な接触』以上の関係になってからだと思うので、それ以前の関係では、彼に『ありがとう』を言うチャンスすらありません。
彼とまだ知り合ったばかりの段階で、どうすれば『仲のいい恋人同士になったときのイメージ』を彼に伝えることができますか?」
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「なるほど……なかなかするどい質問だね。
そしていまの質問で、僕がこの講義で教えたことをしっかりと理解してくれているのがよくわかったよ。
たしかに、まだ知り合ったばかりの段階では、彼が親切に何かをしてくれることはあまりないよね。だから『ありがとう』を言うチャンスも少ない。
でもね、男性に好かれやすい女性というのは、まだ知り合ったばかりの相手からでも『ありがとう』を言うチャンスを上手(じょうず)にひきだしてしまうものなんだよ」
「……どういうことですか?」
「ちょっとした頼(たの)みごとをしたり、彼を頼(たよ)ってわからないことを質問したり、そうやって女性のほうからお願いするんだよ。
そして、彼がそれに応(こた)えてくれたら、女性は笑顔で『ありがとう』と言う」
「なるほど……よく『ワガママな女はモテる』って言うけど、そういうからくりなんですね」
「そうだね、それもワガママな女性がモテる理由のひとつだよね。
彼を頼ることで、彼をいい気分にさせる――
彼がやってくれたら、笑顔で『ありがとう』と言って、また彼をいい気分にさせる――
こういう女性は、やっぱり男性に好かれやすいよね」
「でもわたし、男の人にワガママを言うなんて、ハードルが高くてできそうにありません……」
「べつに、ワガママになる必要なんてないよ。
要するに、簡単な頼みごとをすればいいってことさ。
人の手を借(か)りたいときとか、何かわからないことがあって誰かに教えてもらいたいときとか、そういうときには彼を頼るようにしてごらん。
むずかしいことじゃなくていい。ささいなことでいいんだよ。
そして、その『ささいなこと』を彼がやってくれたら、かならず『ありがとう』を言うようにね」
「はい。それぐらいなら、わたしにもできるかもしれません……。
いえ、きっとできると思います!」
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2019年2月2日 リンクを追加。