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「たしかに、女性の立場から見るとそのとおりだよね。
付き合う前は、男性は積極的にメアドや電話番号を聞きだそうとする。メッセンジャーアプリを一緒にやろうと誘ったりする。
最初のうちはメールや電話をまめにいれて、女性との仲を熱心に深めようとする。
でも、付き合いはじめたとたんに連絡をしなくなる――これじゃ、女性のほうは戸惑(とまど)ってしまうよね。
でもね、男性はけっして悪気(わるぎ)があってそうしているわけじゃないんだよ。
というより、連絡をあまりしないのが、男性にとってはもともと自然な状態なんだ」
「そうなんですか？」
「さっきも言ったけど、男性というのは用がないかぎり、メールや電話をあまりしない。
つまり、まめにメールや電話をしていたときのほうが変則的な状態だったんだ。
でも、『恋を成就(じょうじゅ)する』という大きな目標を達成したことで心の緊張が解(と)けて、また通常の状態にもどった――
それが、彼に起こっていることだと思うよ。
彼がメールや電話をしなくなったのは、もとの状態にもどっただけ――
そして、もとの状態にもどったのは、ふたりの関係がうまくいっていることを実感して、彼が安らぎを感じているからなんだ。
彼は、相内さんのことを大切に想(おも)っている。
良好なふたりの関係を嬉しく思っている。
そのことは、どうか信じてあげてほしいな」
「……はい！ 信じます！」
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「男の人がメールや電話をしなくなる理由については、先輩の説明でよくわかりました。
……でも、それじゃわたしは、どうすればいいんですか？
メールや電話をしないことが男性の潜在的な心理だとしたら、女性のほうはいままでどおり連絡を待ちつづけて、ずっとやきもきしていなければいけないってことなんですか？」
「どう対処すればいいのか？ ということについては、自分で考えてほしいって言うのが僕の本音(ほんね)だけどね。
これまでに話した男性心理についての理解が深まれば、彼とどうむき合うべきなのか、おのずと答えが見えてくるはずだからね。
……でもまあ、せっかくここまで話したんだしね。『男性がメールや電話をしなくなったときの対処法』について、僕のほうから簡単にアドバイスしておいてもいいかな」
「ぜひお願いします！」
「といっても、これはあくまでも僕の見解だからね。僕の意見をそのまま受けいれるのではなく、最終的には相内さん自身で、自分だけの『答え』をださなくてはいけない。そのための参考として聞いてほしいな」
「はい」
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