2018年10月17日水曜日

恋愛に戦略的不機嫌はいらない 〈巻末付録 須藤賢策の解説〉

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賢策の恋愛解説





恋愛に戦略的不機嫌はいらない


 これは僕自身の体験談でもあるんだけど、戦略的不機嫌をやめると本当の恋愛ができるようになるんだ。

 戦略的不機嫌というのは、意図的(いとてき)に不機嫌な態度をとることで、対人関係において優位に立とうとしたり、よけいな干渉(かんしょう)をされないように見えない壁をつくる行為のこと。

 これがね、なかなかやっかいなんだ。
 というのも、この戦略的不機嫌というのは対人関係においてそれなりに役に立つものだからね。
 この世の中、好意的な人間ばかりじゃない。人の弱みや善意につけこんでくる者だっている。
 そういった悪意のある者たちから自分自身を守るのに、不機嫌な態度をとることが効果的なケースも少なくないんだ。


 でもね、恋愛に関して言えば、戦略的不機嫌というのはさまたげにしかならないんだよ。

 だってほら、不機嫌な状態で恋人といても、ちっとも楽しくないよね?

 そう、つまりそういうことだよ。
 みずから『不快』な状態になることで、ふたりの関係を「喜びのない恋愛」にしてしまうんだ。

 心に喜びの感情が流れていない状態だと、たとえ相手が「運命の人」であったとしても、その恋愛からは『恋』も『愛』もうしなわれてしまう。

 恋というのは、
「その人と一緒にいたり、その人のことを想起したりすると、心が『快(かい)』になる」
 それを意味しているのだからね。

 恋人といても、きみに喜びの感情がないのなら、それは本当の意味での恋愛とは言えないんだよ。


 ともすると、男女の関係というのは戦いになりかねない。
 駆け引きや、優位に立つための主導権あらそい――それが恋愛のメインになってしまうことは、よくあることなんだ。

 僕もそうだったよ。
 男性は女性をエスコートする側(がわ)だから、つねに優位な立場でいなければならない――そんな思いこみがあったせいで、彼女に対していつも不機嫌な態度をとっていたんだ。

 男性は、これにおちいりやすいから気をつけないといけない。
 男性のマインド(心)というのは驚くほどプライドが高いものなんだ。
 ナメられたくない、優位に立っていたい、主導権をにぎっていたい――そんな思いが恋愛にはいりこんでくるから、知らず知らずのうちに戦略的不機嫌をやるようになり、それが習慣化してしまう。
 それはよくあることなんだよ。

 でもその態度は、逆転させたほうがいい。
 恋人といるときは、意識的に上機嫌を心がけるようにしよう

 感情がすでにプラス側に流れている状態なら、きみは恋人に接するたびに、恋愛とは喜びであるという事実を「体験」によって知ることができる。
 きみの恋人の魅力、恋人と一緒にいる楽しさ、恋人とのつながりを実感する喜び――そういったことに、敏感に気づけるようになる。


 恋愛とは、本来「幸せなもの」なんだよ。
 それを実感できるようになるには、何よりもまず心の状態を良好にして、喜びの感情が起こりやすいようにしておかないとね。

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