2018年10月26日金曜日

男性は自然消滅で終わらせようとすることがある 〈巻末付録 須藤賢策の解説〉

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男性は自然消滅で終わらせようとすることがある


 暮咲さんのことを避けるようになった誠一は、後ろめたい気持ちを胸にいだきながらも「これでいいんだ」と自分に言い聞かせた。
 そして、このまま自然消滅のようなかたちでふたりの関係が終わってしまうことを受けいれた。

 男性は、「何もせずに自然消滅させる」というやり方で、ふたりの関係を終わらせようとすることがよくあるんだ。


 男性というのは、何もしないこと、相手を無視していることが断りのサインになると思っている。
 しかもそれが、よりやさしい終わらせ方だと思っている。
 男性は、はっきりと言葉にして伝えたら相手をひどく傷つけてしまう、と直感的に感じているからね。
 だから、何もせずに自然消滅させることが最善だと思っているんだよ。


 でも実際は、逆だよね。
 女性は無視されたり、拒絶されたりすると深く傷つく。
 特定の異性――愛する人に拒(こば)まれているときに感じる孤独感によって、女性はもっとも深く傷つくんだ。

 でも男性の多くは、そのことがわかっていない。彼女のことはそっとしておいてあげるのが最善なんだと信じている。
 そして悪気(わるぎ)がないまま彼女のことを傷つけてしまう。
 そういったことは、よくあることなんだよ。


 誠一は、暮咲さんのことが好きだからこそ、大切に想っているからこそ、終わりにしようと思った。
 暮咲さんをできるだけ傷つけないように、自然消滅で終わらせようとした。
 でも、そのせいでかえって暮咲さんを傷つけてしまった。

 暮咲さんは誠一に嫌われたと思い、不安のなかで苦悩することになってしまった……。

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